バイバイしない友達(2)
私の行った高校は進学校で、人生になんの展望も持てない私と異なって、他の人はみな忙しそうだった。
勉強に部活に、忙しい間をぬって、みな私のために時間をとってくれた。
先生も、カウンセラーも、部活の仲間も、クラスメイトも、男友達も、女友達も。
私のつまらない話に、「さみしさ」に付き合ってくれた。それでも心にはいつも隙間のようなものがあって、そこにはいつも冷たい風が吹いていて、自分一人では耐えることが難しかった。
しょっちゅう、飛び降りようとベランダに出てみたり、腕をカッターで切っていた。そうしてほんの少しの痛みを感じることで、生きている実感がもてる気がしていた。
だけど、いつまで経っても、「さみしさ」がなくなることはなかった。
浪人生になり、大学生になり、私の「さみしさ」は留まることを知らず、仲の良い女友達にすら好意を伝えるようになった。
別に彼女たちと恋愛的に交際したかったわけではなかった。その頃になるとだんだん私も気づきはじめていた。
私はただ、「バイバイ」したくなかったのた。